[RSRオーガニックファーム]天候とのにらめっこは続く

5月1日(土)、オーガニックファームチームでは第2回畑ツアーとして、「種いも植え」と「ピュアホワイト(とうきび)・すいかのマルチ・トンネル張り」を行いました。
この日の作業に参加したのは、オーガニックファームチームのもえ、れん、ひかる、ちゅ〜そん、ゆうや。環境NGO ezorock(以下、ezorock)事務局のタケシ、やっくん。そしてツアー参加者のさおり、ゆかり、しゅん、きょこたん、チェンの計12名という大人数でした。

ツアーについては伝えたいことがたくさんあるので、今回は前半(種いも植え)と後半(マルチ・トンネル張り)に分けて書いています。
この記事では、いよいよ後半にあたる「ピュアホワイト・すいかのマルチ・トンネル張り」についてのお話です。(前半の種いも植えの様子はこちらをご覧ください。)
午前中は曇りで寒空の下での作業でしたが、後半はうって変わって晴れ晴れとした青空に恵まれました。

さて、マルチ・トンネルとは一体何のことでしょう。
マルチとは写真のように地面を覆う黒いビニールのこと、トンネルとはマルチの上に張られた小さなビニールハウスのようなものです。マルチは地温を高め地面の水分を適度に保持し、トンネルは中の気温を高めます。北海道のような寒冷な気候で、まだ肌寒い春先に栽培を始めるためにこのマルチとトンネルを使うのです。

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特にすいかは、定植して88日後あたりに収穫期を迎えます。
私たちは今年、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO(以下、RSR10)の会場にじゃがいも、ピュアホワイト、すいかなどを登場させようと考えています。8月13、14日に行われるRSR10に間に合うように収穫するとしたら、遅くても5月第3週には定植しなければなりません。定植までしっかり地温を温めるためにも、5月1日であるこの日にすいかのマルチ・トンネル張りをすることは重要な作業なのです。

では、まずマルチを地面に張ります。
マルチの端にスコップで土をかけ固定します。そして、ラップのように巻かれたマルチを広げながら、両脇にも順々に土をかけて固定していきます。このとき、マルチをピンと張った状態で土をかけることが大事です。今年は、ピュアホワイトを4列、すいかを1列植える予定です。ピュアホワイトに関しては1つのマルチの両端に種を植えていくので、計3列のマルチを張りました。
それでは、次にトンネル張りです。

トンネル張りではまず、トンネルのビニールを支える青い支柱をマルチの両脇に等間隔でさします。
トンネルの最初と最後の部分の支柱は、2本をクロスさせバッテンの形を作ることで安定させます。ここまで準備ができたらトンネルのビニールを張っていくのですが、この作業がなかなか一筋縄ではいきません。
まずはマルチ同様にトンネルの端に土をかけしっかり固定します。そして、巨大なラップのようなトンネルを二人がかりでしっかり張って、中心がズレないように支柱にかぶせていきます。ここで、この二人がしっかり張らないとトンネルが弛み、風の抵抗を受けやすくなって強い風が吹くと壊れてしまうのです。さらに同時並行で、両脇にいる人たちはビニールに土をかけてしっかり固定していきます。両サイドの進行速度が違うと、中心がずれたり、トンネルがよじれ真っ直ぐきれいに張れません。この日、初めて出会ったツアー参加者同士とオーガニックファームチームメンバーで、お互いに気遣いながら協力して作業を行っていきます。

tunnel

この日は風が強かったこともあり、最初はなかなかうまく張ることができませんでしたが、作業を進めるにつれてそれぞれコツを掴み始め、チームワークも良くなりました。
2つ目と最後のトンネルはきれいに張れたとまでは言えませんが、1つ目に比べ弛みも少なく徐々に改善されたのが分かります。農作業はただの単純作業というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、私たちが生きるために何より必要な食べ物を作り出すことのできる、技術と経験を要するクリエイティブな作業だと私は感じました。

さて、こうしてマルチ・トンネルが張れたのですが、よく見るとトンネルの内側がうっすら曇っていました。太陽の光を受け、早速トンネル内が温められて中の水分が蒸発し、その小さな水滴がトンネルのビニールについていたのです。ピュアホワイトとすいかの命を受け入れる準備が始まりました。今年は例年になく気温が上がらない日々が続きますが、自然には逆らえません。なんとか再来週にはピュアホワイトとすいかの種・苗が植えられるよう暖かくなることを願うのみです。

文章:松尾ひかる(ひかる)