【報告】<2/9-10(土-日)>GREENDAY2019
2019年2月9日(土)10日(日)に2日間にわたって行われたHokkaido youth sessions GREENDAY 2019。
北海道内各地や道外から、多様な年齢や職業の人が集まり、2日間でのべ169名が参加しました。
教育、まちづくり、災害と復興と多岐にわたるテーマの中で、「聞きたい分科会が被っていて悩む」という声も聞かれました。
今年は高校生が分科会を持つという新たな試みがあり、その参加者の中には中学生や高校生もいました。
また、フォーラムを通じて、初めて会う参加者同士の共通点が見つかり、今後の繋がりができる場面も見受けられました。
最後には、参加者ひとりひとりが心に残った言葉と今後実行することの宣言を行い、感じたことや考えたことを日常に持ち帰ることができたフォーラムとなりました。
セッション1
本気で挑戦〜これからの教育を一緒に考えよう〜
講師 : 札幌新陽高等学校校長 荒井 優 氏
校長になる前はソフトバンクに勤務。学校教育の外からやってきた荒井氏は、参加者へ「本気ですか。誰かのせいにしていませんか。」と問いかけられました。東京勤務経験を通じ、北海道は本気で挑戦していない、国など誰かのせいにしている風潮が多いと指摘されました。また、教育には学校教育と社会教育の2種類があり、社会教育を取り入れたら学校教育が変わったという言葉が印象的でした。セッションを通じ、教育に対して新たな視点に気づく時間となりました。
セッション2
自分らしい人生のつくり方
講師 : 元陸別町地域おこし協力隊 一般社団法人寒冷地デザインセンター 代表理事 秋庭 智也 氏
秋庭氏は「自分は40歳で死ぬと思っていた。だから死ぬまでに好きなことしてやろう。」とおっしゃっていました。大切なのは好きなことを見つけること。好きなことだけで生きるのは難しいけれど、好きなことにできるだけ時間を割いて生きることはできる。秋庭氏は常に新しいものを探していて、人生に起こる全てが楽しいという印象を受けました。「失敗したことはあまり覚えてない。」自分もそう言いながらこれからの人生をつくっていきたいと思いました。
セッション4
びっくりドンキーの経営者は どのようなことを日々考えているのか?
講師 : えこりん村 村長 株式会社アレフ 常務取締役(COO) 庄司 開作 氏
庄司氏を語るには欠かせないキーワードの1つ「自然」。びっくりドンキーでは食器など環境に配慮したものが使われており、えこりん村では子供たちに向けて自然体験プログラムを開催されているそうです。幼い頃から大好きな自然が破壊され、そして自然に触れたことのない子供たちがいることを知り、このような取り組みをされているとのことでした。今後は多くの方に事前を身近に感じてもらえるように、様々な場所でキャンプを開催したいとおっしゃっていました。
セッション5
教育改革を迎える中、学校について当事者が語る
講師 : 札幌新陽高等学校 探究コース1年 石田 ろみ 氏 樫見 育 氏 中川 明日香 氏 室田 涼夏 氏
始めに「学校とはなにか?」をテーマにプレゼン、その後参加者を巻き込んでグループディスカッションをしました。探究コースでの学びによっていかに自分が変化したのかを生き生きと話す姿からは、自分たちの学校に対する信頼と感謝の念を感じ取ることができました。グループディスカッションでは、高校生や大学生が積極的に自分の考えを伝え、世代の垣根を超えた深い議論になっていました。
セッション6
けん玉けんちゃんと一緒に 厚真を応援するプロジェクトを考えよう!
講師 : 厚真けん玉クラブ 代表 厚真町教育委員会 斎藤 烈 氏 (紅白歌合戦ギネスけん玉世界記録達成メンバー)
いつでも、どこでも、だれでもできるけん玉をツールに広がっていったコミュニティや、子どもとの関わりで意識していることなどの話をお聞きしました。胆振東部地震発生時に子どもの居場所作りに尽力してきた斎藤氏が述べられた「でも、だって、だけどではなく、だからこそを大切に」という言葉が印象的でした。最後には、今後何とけん玉をコラボしたら面白いかを全体でディスカッションし、アウトプットまでできた濃い時間となりました。
セッション7
災害ボランティアセンターの立ち上げから、次のステージへ
講師 : はやきた子ども園 園長 安平町災害ボランティアセンター 副センター長 井内 聖 氏
胆振東部地震発生2日後からSNSを通じボランティアを受け入れた井内氏に、ボランティアセンターを立ち上げた経緯や、役立ったITなどについてお話いただきました。「判断は経験、決断は勇気」という言葉が印象的でした。判断することと決めることは全く別だということは災害だけでなく、何かに迷った時には役立ちそうだと感じました。またアウトドア道具とITのマッチングで震災を乗り切ったということで新たな防災対応を発見する機会にもなりました。
セッション8
この20年、NPOは何を達成し、何が課題となっているのか?~世代を超えて大切にするべきこととは~
講師 : 特定非営利活動法人北海道NPOサポートセンター 元事務局長 佐藤 隆 氏
一般社団法人北海道ブックシェアリング 企画部主任 竹次 奈映 氏
コーディネーター : 特定非営利活動法人ezorock 代表理事 草野 竹史
ゲストの1人であった佐藤氏はNPOという概念を築き、NPO法の創設に多大な影響を与えた人物です。そんな佐藤氏の人生を踏まえながらNPOの歴史についてお話をうかがいました。NPO法の創設により、NPOに法人格が与えられることになるが、それは自分たちで行動し、勝ち取ったものである。現在の当たり前は、当時は当たり前ではない。このセッションを通して、変革していくためには行動に起こすことの大切さを学びました。
セッション10
つながり人口から関係人口へ〜地域づくりへの新しい関わり方〜
講師 : 一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校 代表理事 伊藤 聡 氏
特定非営利活動法人ezorock 代表理事 草野 竹史
伊藤氏が東日本大震災後にさんつなを立ち上げた経緯や、ezorockと釜石のつながり、釜石の関係人口などについてお話いただきました。被災地支援として釜石を訪れたボランティアが釜石の関係人口となっているという話が印象的でした。地域づくりを地域内だけで完結させるのではなく、外とのつながりを大事にして一緒にまちを作っていこうという考え方が、日本の地域再生の鍵であるように感じました。
セッション11
ドラクエに学ぶプロジェクトの作り方
講師 : 株式会社オガワヤ 代表取締役 小川 陽平 氏
プロジェクトとは何か、プロジェクトマネジメントとは何かについてお話しいただきました。プロジェクトというと堅苦しいイメージを抱きがちだが、そんなことはなく、セッションの中で、新婚旅行やドラクエを例にプロジェクトについて学びました。日常の様々なことをプロジェクトに置き換えて考えると、シンプルになってやるべきことが見えてくる。プロジェクト思考は、様々に応用が利く。このようなことを学びました。
セッション12
対話する力と議論する力と議論する力でまちづくりしよう~ファシリテーターの私が見ているもの~
講師 : NPOファシリテーションきたのわ 代表 宮本 奏 氏
「対話する力」や「議論する力」というものは重要だと感じるが、何をすればその力が伸びるのかと考えると中々難しい問題でした。そこで今回は、実際に行われたまちづくりワークショップを事例に、参加者と一緒に考えるプログラムが行われました。そのなかで「会話」「対話」「議論」の3つの違いを考えながら、それぞれに重要なことをお話いただきました。このセッションを終えて、「対話」や「議論」で大切にしていきたいことを再認識することができました。
※セッション3およびセッション9はフリーディスカッションを予定していましたが、参加者がいなかったため実施しませんでした。