[RSRオーガニックファーム]命を受け入れるための下ごしらえ

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5月10日(日)の種いも植えツアーの後、私たちはとうきび(ピュアホワイト)・すいかのマルチとトンネルを設置しました。来週にピュアホワイトの種とすいかの苗を植えるための下ごしらえです。植えた後に種と苗がちゃんと育つような環境を事前に整えてあげます。

マルチとは写真のように地面を覆うビニールのこと。
トンネルとはマルチの上に張られた小さなビニールハウスのようなものです。
マルチは地面の温度を高めたり、地面の水分を適度に保持することができます。
トンネルも同じようにトンネル内の空気の温度を高めます。
北海道のような寒冷な気候で、まだ肌寒い春先に栽培を始めるためにこのマルチとトンネルを使うのです。

それでは、マルチを地面に張ります。マルチの一方の端を風でめくれ上がらないように土をかけてしっかり固定します。そしてラップのように巻かれたマルチを広げながら、両脇にも順々に土をかけて固定していきます。
このとき、マルチをピンと張った状態で土をかけることが大事です。マルチの周りを土で固めたら、真ん中にも土を乗せてさらに固定します。さらに、種を植える場所に穴を開け、じょうろで少し水を注ぎ、土に適度な湿度を与えます。これでマルチの設置は完了。種と苗を受け入れる土の準備ができました。

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次に、中を温めるためのトンネルを張ります。青い支柱をマルチの両脇に60cm間隔でメジャーで測りながらさしていきます。マルチの両端は支柱をバッテンにしてさします。
さて、ここからが大変な作業です。無事にさせた支柱の上にビニールをかぶせていくのですが、ビニールの中心がずれないように、そしてビニールがピンと張るように気をつけなければなりません。ビニールがたるんでいるとヨットのように風の抵抗を受けやすくなります。石狩の強い風を受けトンネルが壊れるのを防ぐために、慎重にトンネルを張っていきます。
さらに同時並行でビニールの両脇に土をかけてしっかり固定します。ビニールをかぶせる人と土をかけて固定する人、みんなのチームワークで作業を進めていきます。1列たったの10mですが、初めての慣れない作業ではとても長い距離に感じました。

するとここで思わぬハプニングが!

トンネルを固定するための土を掘ると、なんと種いもが出てきたのです。

種いも植えのときに、きちんと平行に畝を作らなかったせいで、隣のピュアホワイトの列にずれこんでしまっていたのです。目印が何もない畑で、手作業で平行に畝を作るのはなかなか難しいです。種いもの畝作りのとき、何回もななめに進みそうになりながら、みんなで修正したつもりでしたが、1列だけ失敗していたようです。次回の畝作りは、周りで見ている人が畝を作っている人にもっと声をかけて、平行に進んでいるか確認しなければなりません。また一つ失敗から学びました。
作業が全て終わる頃には夕方になり、かなり肌寒く感じました。こんな寒い気候でも、マルチとトンネルが太陽の光をしっかりキャッチして、種と苗を植えに来る頃までには土を温めてくれていることでしょう。

じゃがいもと少し遅れて、いよいよ来週、ピュアホワイトとすいかもRISING SUNROCK FESTIVAL in EZO 2009の生ごみからできた堆肥と出会います。

文章:松尾ひかる(ひかる)