【報告】GREENDAY2018〜1日目〜


2018年2月10-11日に Hokkaido youth sessions GREENDAY 2018を、市民活動プラザ星園およびezorockコミュニティスペースにて実施しました。今年のサブタイトルは「自分らしい生き方をえがく2日間」。それぞれの分科会では、講師の話やグループワークなどから新たな学びや気づきを得ることが出来ました。また、分科会だけにとどまらず、合間の休憩時間や交流会でも同じ興味関心や悩みを持つ人と出会えたことで、参加者同士の対話が多く見られました。その場にいる参加者全員によってつくられるイベントとなりました。
今回は、69名が参加した、1日目の様子を報告します。

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オープニングセッション 13:00〜14:30


初参加の人も多く、まずはお互いの共通点を見つけるアイスブレイクから開始されたGREENDAY2018。在住場所や出身地、将来住みたい所をテーマに会場全体を日本列島に見立て、北から南に並んだ。在住場所ではやはり北海道が9割を占めたが、岐阜県から来た参加者が注目を集めていました。その後チームを作り、チームごとに自己紹介と分科会に期待することなどを共有しました。会場は活気に満ち、参加者同士で会話が生まれるなど、その後の分科会にも参加しやすい雰囲気となりました。

分科会1(テーマ1〜3) 14:40〜16:10

テーマ1

「地域集落×アート×フェスティバル=森づくり!? ~白老で行われる森づくりが目指していること~」
講師:TOBIU CAMP実行委員会 代表 木野 哲也 氏

かつて、学び舎だった飛生小学校。その校舎と周囲の森を拠点にアーティストが集まり毎年、芸術祭が開催されています。最初は森づくりという作品を数名の参加者で作り上げていましたが、やがて独特の世界観に地域の人や世界の人々までもが惹きつけられ大きなイベントへと拡大しました。出演アーティストの条件は厳しくはなく、胆振で活躍する人を中心に参加者を募っています。そこで作るアートとは地域を舞台とした身近なもの、住民に光を当てることができるものでした。人間と自然の営みのバランスを保ち、生態系や循環、森と人とが共存できることを大切にし、飛生芸術祭では来場者を受け身の形ではなく、物語を作る側として参加してもらい来場者と共に1つのアートを作っていることがわかりました。

◆参加者の感想
・地域への入り方、人との関わり方、アートとは何か、ということがよく分かった。もともとある土地の歴史を壊さないように、人々の集まる場を作っているということが印象的だった。(24歳 社会人 女性)
・人間のエゴと自然の営みとのバランスが大事だという話に共感した。お金を払って何かを得るという受け身の姿勢ではなく、自分から動く能動的な考え方が必要だと思った。(19歳 大学生 男性)

テーマ2

「ボードゲーム入門~コミュニュケーションツールとしての魅力~」
講師:認定NPO法人芸術と遊び創造協会認定おもちゃコンサルタントマスター 大江 裕子 氏

電子機器を使わないアナログゲームの一種であるボードゲームの歴史は長く、紀元前5千年からあります。古くから日本で遊ばれているアナログゲームであるお手玉はエジプト、コマはギリシャ発祥、日本固有のものは実は少ないそうです。ボードゲームは無意識のうちに論理的思考、コミュニケーション能力、勝負の楽しさ、自己主張などが遊びながら身につくものです。ボードゲームには、様々な種類のゲームがあり、運や戦略などの様々な要素があるので毎回同じ人が勝つわけではありません。自分なりのアイディアをいかすことができるため、ゲーム大会や社員研修など様々な場面で活用できます。

◆参加者の感想
・山積みのボードゲームにワクワクしたのは初めてだった。ボードゲームが生活の中にあるドイツの雰囲気は、暖かみや人間味があってとても素敵だと思った。(40代 社会人 女性)
・ゲームはただの遊びではなく人間力を高めるツールだと気付くことができた。(35歳 社会人 男性)

テーマ3

「本当に知ってる?アイスブレイク~場に合わせた空気の作り方~」
講師:NPO法人 ezorock 高橋 苗七子、住永 彩花、絹田 瑠香子

薪ストーブのともるezorockコミュニティスペースにて、輪になって開始。アイスブレイクという単語を知っている人も、知らない人も最初に講義形式でアイスブレイクについて勉強し、スタッフの進行で実際に10個ほどのアイスブレイクを実施しました。最後にグループに分かれ、参加者自身の進行で実践! アイスブレイクとは、アイス(緊張感)をブレイク(壊す)する、初めての人同士だけではなく、チームや知っている人同士でもアイスがあるので、普段の会議前などにも活用できるものです。また、アイスブレイクを実施するだけでなく、自らがアイスブレイカーであることもできます。大事なのは、参加者同士や、進行役と参加者の間に関係をつくることで、参加者の求めないことを無理やりやらないようにすること。GREENDAY自体のアイスブレイカーになっていきましょう!と解散しました。

◆参加者の感想
・アイスブレイクは初対面同士でするものだと思っていたが、知り合い同士でも使えて、かつ盛り上がれることを学んだ。サークルのミーティングにも使ってみたい。 (21歳 大学生 女性)
・いろいろな手段を教えてもらい、「ほめる」を実際に体験できて良かった。仕事に限らずに様々な場で使っていきたい。(26歳 社会人 男性)

分科会2(テーマ4〜6) 16:30〜18:00

テーマ4

「北のクレイジージャーニーシリーズ~世界の秘境から南極まで見てきたもの~」
講師:ゲストハウスSappoLodge オーナー、株式会社GOOD VIBES 代表取締役 奈良 亘 氏

「小学生時代、仲間・3人で鉄道とヒッチハイクで北海道1周を達成したんだ」そう笑いながら話始めた奈良さん。中学ではサッカー、高校と大学では機械体操に取り組み、インハイ・インカレに出場するほどの実力を持ちながら、選んだ道は「旅」。今回は奈良さんの数多くの旅の中でも、グリーンランドの旅と南極越冬隊の頃の話をお聞きしました。スノーボードをするためにカヤックを学び、クビ覚悟で45日間の有給を取って旅立つ。「遊ぶためのトレーニングや努力」そしてその原動力が「見たいから行く」というのが奈良さんの旅のテーマでした。南極越冬隊時代では、南極までの道のりや現地業務のこと、ペンギンやコケなどの南極の自然についての話をメインに、現地の装備と南極の氷を持参し、会場を驚かせていました。「失敗してもいいから、やりたいことをやる。大きい失敗をしないのは、小さい失敗を乗り越えているから。失敗を恐れないで挑戦してほしい。」と最後に参加者全員にむけて熱く語りました。

◆参加者の感想
・奈良さんの生き方そのものが「旅」だと感じた。話を聞いて自分のやりたいことはとことんやっていきたいと思ったし、自分がもう少し歳をとって振り返った時に自信をもってそれを話したら格好良いなと思った。(21歳 大学生 女性)
・日本に住んでいるだけでは見られないような風景をたくさん見ることができて新鮮だった。過酷な環境であっても人々が協力している姿はかっこよかったし、今生活している中で関わるもの全てが貴重なものであることを実感できた。(大学生 女性)

テーマ5

「本業とは異なるもう一つの所属「パラレルキャリア」を考える」
講師:エコモット株式会社 兼 NPO法人ezorock 理事 國塚 篤郎

今回テーマ、「パラレルキャリア」は経営の神様、P.F.ドラッカー著の本に出てきた言葉。本業の他、副業とは異なる複数のキャリアを持つことが人生を豊かにするのではないかと言われています。人には生活の場や職場又は学校以外のサードプレイス(第三の居場所)が必要とされ、現にサードプレイスがパラレルキャリアに繋がっている人も多い。参加者も半数以上がパラレルキャリアを持っていました。既にパラレルキャリアを持つ國塚、当団体代表理事の草野を中心に、全員で意見交換をしながら進めていきました。「本分科会に何を期待してきましたか?」というテーマで自由に記述、更に内容について本人が口頭でコメントしていきました。傾向として、パラレルキャリアを持つ人の事例、バランスの取り方をどうしているのか知りたいという物が多かった。互いの悩みや考えている事などに共感の声も多く見られました。

◆参加者の感想
・パラレルキャリアに興味・期待もあるが、仕事との両立については不安感じている人が多いことが分かった。本業はできて当たり前だけどサードプレイスで役に立つと感謝される、本業に良いフィードバックがある、ということが分かった。(40代 社会人 女性)
・結局は自分がハッピーかどうかが大切。パレラルキャリアは目指すものではなく結果そうなるものだ、ということが分かった。(40代 社会人 女性)

テーマ6

「フリーディスカッションプログラム」
講師:NPO法人ezorock 崎川 哲一

特にテーマはなく、話したいことを自由に話し合うフリープログラム。初めはオープニングセッション、第一分科会を受けて今感じていること、考えていることを共有し合いました。その後、参加者の関心が高かった、分科会の中でも多く取り上げられた「地域」というキーワードについて、自分達が住む場所を決める理由や住んでいる場所はどう盛り上げられるか等を討論しました。少人数だからこそひとりひとりの生い立ちや思考について、深く時間をかけて話し合うことができ、他の分科会では味わえない参加者同士の関わり合いを楽しみました。

◆参加者の感想
・チャレンジ バイ チョイス。いかに〆るかという話を聞けた。(40代 社会人 男性)
・ざっくばらんにいろいろな意見が聞けて良かった。立場、環境、地域によって異なる意見、共通意見の差異も発見できた。(18歳 社会人 男性)

交流会 18:30〜20:30


交流会は初日の夜にezorockコミュニティスペースで開催され、道東・標津町で故郷のまちづくりなどをテーマに若者たちが活動する“しべつ未来塾”塾長・土谷悠介さんの乾杯の発声で始まりました。しべつ未来塾さんから鮭トバやいくら、ホタテを差し入れにいただき、交流を交わしました。普段している活動や各々の人生テーマなどが主に会話の中心でした。普段は関わらないような人たちと関わることができ、話してみると共通点や新たな発見をし、つながりの輪を広げたりと賑やかなひと時となりました。