[RSRオーガニックファーム] 太陽に向かって伸びるために

6月27日(土)、今回のオーガニックファームチームは晴天の中、「じゃがいもの花摘み」「ピュアホワイト(とうきび)の栄養やり」「トンネルからのすいかの芽出し」の三つの作業を行いました。
それでは、ピュアホワイトの栄養やりについて紹介しましょう。前回、間引きをしたピュアホワイトは順調に成長していました。今日はこのピュアホワイトの成長に合わせて、より育ちやすい環境を整えてあげます。

まず、トンネルを取ってマルチをはがします。
トンネルとは、写真のような小さなビニールハウスのようなもので、中の空気を温めます。そして、マルチは土を温めるために地面の上に敷いていたビニールのことです。気候が暖かくなってきており、またピュアホワイトがもっと太陽に向かって伸びるためにはトンネルが邪魔になってしまうので、これらを取り除きます。

マルチをはがしていくと、熱気がもわっと伝わってきました。今まで、このマルチが土を温めてくれていたのがよくわかります。手で触れると伝わってくる温かい土の感触。土を温める柔らかな太陽の光と大地の力を体で感じることができます。

web090627_2

お世話になったトンネルとマルチをはがすと、次はピュアホワイトに肥料を与えます。この肥料、どこかでかいだことのある匂いがぷんぷんします。ピュアホワイトに与える肥料は、味噌の原料である米ぬかを発酵させた「ぼかし」という肥料でした。米ぬかからできた肥料だから、味噌の匂いがぷんぷんしたのです。

一般的に、このぼかしという肥料は、油カス、米ぬか、鶏糞、魚カス、骨粉などの有機肥料を発酵させたものです。
発酵させることで、肥料の効果を薄めて(ぼかして)いるのです。
このぼかしを、スコップでピュアホワイトに薄くまんべんなく丁寧にまいていきます。このように、植物の生育に応じて必要な養分を追加で与えることを追肥といいます。

web090627_1

トンネル・マルチを取ったり、追肥したり、全てはピュアホワイトの成長に合わせて行う作業です。
こんな作業をしているとき、私はこの畑では主役は人間ではなく野菜なのだと感じます。人間の都合に合わせて、肥料をやったりするのではなく、周囲の自然と共に育つ野菜の都合に、人間の方が合わせて世話をしていくのです。

もし、RSRオーガニックファームが有機栽培ではなく、大量の農薬を使ったり、遺伝子組み換え作物を育てるならば、もっと人間の都合に合わせることができるのかもしれません。しかし、そうすることは自然の力によって生きている野菜を、不自然な方法で育てることになると私は感じています。

さて、追肥を終えると最後に土寄せを行います。じゃがいものときに行った土寄せは、じゃがいもに日光が当たらないようにするためでした。しかし、ピュアホワイトの土寄せは、石狩の強い風などで倒れないようにするために行います。

これで、ピュアホワイトの作業は全て終了です。もっともっと太陽に向かって伸びるための環境が整いました。私たちはこれからも野菜の都合に合わせて、石狩にやってきます。ピュアホワイトも含め、こんな風に育った野菜がRISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 in EZO(以下、RSR09)の会場に来たあなたに届くのです。わくわくしませんか?1ヶ月半後、RSR09に来たならぜひオルタナティブビレッジへ!

文章:松尾ひかる(ひかる)