【連載|対談】ezorockers YOHEY ITO ~自然を体感する楽しみを伝えたい~
ezorockで活動する『人』に着目したコラム5回目。昨年大学入学ととも北海道に渡ってきた
『よーへー』。彼が活動するのは2,000m級の山々がおよそ50kmにもわたって連なる山岳
国立公園。話を聞いているだけで自然や生物が好きな気持ちがひしひしと伝わってきます。どうぞ、大雪山の素敵な風景とともにご覧下さい。
ーPICK UPー
✔ 数週間でがらっと変わる山の表情に感動した。
✔ 3分レクチャーという活動は一人でずっとぶつぶつ言いながら練習を重ねた。
✔ 国立公園に何度も通えたのはこの活動ならでは。
✔ 継続的に参加することで、できることが増え、力になれることが増える
✔ おまけ ~スポンジのように吸収する男~
伊藤 陽平 (よーへー)
出身地 愛知県岡崎市
所属 東海大学生物学部生物学科1年生(2015年12月15日時点)
ezo所属 大雪山国立公園旭岳自然保護プロジェクト(以下、旭岳)
特徴 顔は2枚目、しゃべると3枚目
草野 竹史(タケシ)
出身地 札幌市
所属 2006年~NPO法人 ezorock代表理事
特徴 色んな年齢の人と仲良くなる
もともと登山とかしていて、山の活動があるからやりたいと思った
タ:どういう経緯でezorockに入ったんだっけ?
よ: 大学の先輩と田舎のお祭りに行った時にezorockの話を聞いて、活動に誘ってもらった。もともと、地元でも子どもキャンプのボランティアはやろうかなって思ってたし、ezorockには自然の中だったり、子どもを受け入れる活動があったから興味をもった。6月始めに事務所で色んな活動の話を聞いて。ただ、最初はふくしまキッズの話し合いを見学したから、びっくりした。現場に行って作業とかするだけかと思ってたから、運営側って聞いてなくて(笑 自分ができるのか分からないなぁって思った。旭岳の会議でも酪農大学の人とか色々意見言ってるけど、自分はこれまでそういう機会がないからすごいなって思った。
タ:いつから旭岳の活動に参加してるんだっけ?
よ:それも6月頭位から。ezorockを知る前から藻岩山、三角山とか友だちと登山してた。それで、自分でezorockのHPを調べてる時に山の活動あるって知って「これ!やりたい!!」と思って 。小さい時から夏休み、冬休みと言えば、何泊も自然体験に行っていて、自然の中で遊ぶのが大好きですね。久しぶりに会った人に変わらないって言われる笑
↑旭岳の活動を見つけた時はこんな表情だったらしい…
数週間の違いで、山ががらっと変わることにすっごい感動したんですよ
タ:実際に行ってみてどうだった?
よ:5回現場に行きました。春の山で雪をみて、数週間後の夏の活動では花が咲いていた。9月の活動では、札幌ではまだ緑が少し残っている位なのに、旭岳でロープウェイから降りたとたん、紅葉で…。見とれて転んで足を挫いちゃったんですよ。午後も絶対活動に参加したいって言ったけど、「ダメ」って言われて休憩になっちゃいました…。
タ:スポーツ選手がどうしても試合に出させて下さいって言うような感じだな笑
よ:はい笑 冬はたくさんの雪を触るのが始めてで、雪掻きとか、雪の階段作るのが楽しかった。
数週間の違いなのに、山ががらっと変わっているのにすっごい感動したんですよ。他には、鹿とかエゾライチョウとか愛知県だと見れない生き物を見るのも貴重な体験だった。
タ:他に何か変わったことってある?
よ:それまで人見知りだったけど、大学の知らない人にも話しかけられるようになった。毎回知らない人に会うし、皆で楽しくやっていこうとしたり、人前で話す機会があったから。
↑活動中も目の前には息を飲むような広大な景色が眼下に広がる
すっごい練習したし、すっごい緊張した。一人でずっとぶつぶついってた笑
タ:特に記憶に残っている活動とかある?
よ:3分レクチャーですね。ロープウェイ※を上ってきた観光客や外国人の人たちに、姿見駅から歩いて周る周遊コースの案内をします。展望台や姿見の池など見所へのルートや時間を伝えたり。遭難したり、怪我がないように危険なポイントや山の状況を伝えることもします。 旭岳自然保護監視員の人が近くにいてくれるけど、すっごい練習した。そして、すっごい緊張した。一人でずっとぶつぶつ言ってた。。
タ:やってみてどうだったの?
よ:緊張しすぎて覚えたことも微妙になっちゃったんだけど、山を楽しんでほしい気持ちがあったから、植物とか動物とか見てほしいポイントはしっかり伝えました。今までに4回くらいはやりましたね。
※旭岳ロープウェイ:旭岳の標高約1,100m(山麓駅)~標高約1,600m(姿見駅)を結ぶ。
国立公園とか普通1回行って終わる。けど、活動だったから5回も行けた。
タ:国立公園にボランティアが入って活動ができるのは、ほとんど例がないんだよね。周りの反応はどう?
よ:普通の川とかでやるボランティアだと人は集まりづらいけど、国立公園って言うと友達の反応も違う。驚かれる。だから、周りにとっても魅力的なところなのかなって思う。
タ:俺も酪農学園大学の環境システム学部出身で、ずっと「自然の中で活動したいなぁ」と思っていたけど、15年前位はなかなか情報がなかった。だから、礼文島で住み込みバイトしたり、違う切り口で自然や環境保全の現場と関わろうとしていたね。大学生の時の自分が、ほしくてたまらなかった活動の仕組みが、今、形になっているのは、夢がかなったような気がしているよ。
よ:確かにすごい仕組みだと思う。観光で国立公園に行くなら、行っても年1回位だと思う。だけど、活動だったから5回もいけた。いろんな季節を見ることができて、そこにいる人たちと繋がっていく経験は、継続的に活動に参加する仕組みがあったからだと思う。
活動にたくさん行った分、教えられる部分も増えたと思うから伝えていきたい。
タ:1年目で5回参加して来年度はどういう関わりを考えてる?
よ:今年は、コアスタッフとしてボランティアを迎え入れたりしていたけど、リーダーに頼ってた。次年度はリーダーにもチャレンジしてみたい。活動にたくさん行った分教えられることがあると思うから伝えていきたい。ezorockのことも旭岳のことも。あと、自分の意見も言えるようになってきたし、他の人みたいに旭岳のことを真剣に考えたり、仕組みの運営側としても話しを進められたらって思う。それに、旭岳に入って色んな人の姿をみることで、自分なりの軸を持てるようになりたいと思うようになりました。
ある程度継続的に行くことで、できることが増えてきて、力になれるようになる
タ:自分が参加することで旭岳に提供できていると思うことは?
よ:本音は、今年は旭岳自然保護監視員の人にお世話になったことの方が多い。もともと大学生がいなくても、できることがほとんど。だから、学ばせてもらっている気持ちが強い。少しでも自分たちが提供できることと言えば、力仕事とか人数がたくさん必要な時に役立ってると思える。ただ、段々と恩返していけるようになりたいと思ってる。
タ:これはすごい大切だよね。最初はボランティアってプラスにならないこともある。ある程度継続的に行くことで、できることが増えてきて、力になれることが増える。力になれるようになると、また新しいチャレンジができるようになってくる。
興味があるけど、活動を知らない人に情報を届けたい。
タ:最後に一言どうぞ。
よ:学校で生物を扱っていることもあって、1回は山でも川でも海でも自然の中に入って、魅力や、大切さ、それに危険も含めて知ってほしい。山が面倒くさい人は魅力を知らないんじゃないかって思う。活動で会う人たちは山の魅力を知ってる人が多い。
タ:自然の中に入って、特にどんな部分を体験してほしいんだろうね?
よ:旭岳の中にいるだけで、自分は風邪ひいて具合悪いのも忘れちゃう。空気がきれいだし。パソコンとかゲームとか自分の体を使わずに楽しむこともたくさんあるけど、体を使って、自分の体で自然の中に身を置く気持ち良さを体感してもらいたい。
タ:友達に関心を持ってもらえるとうれしいね。
よ:そうですね。最近思うようになってきたのが、行きたくない人を無理やり誘うんじゃなくて、興味あるけど、活動を知らない人にちゃんと情報を届けたいなって。
▼活動についてもっと知りたい、一緒に活動してみたい方はコチラ
【開催中】ezorock団体説明会
https://www.ezorock.org/info/6852
おまけ ~スポンジのように吸収する男~
タ:生き物大好きっ子?
よ:そうですね。生き物や細胞生物学とか遺伝子とかも…。広く生物学を勉強できるから東海大学を選んだんです。それに北海道だったら野生生物もすごい勉強できるし。
タ:遺伝子まで行くと、結構マニアックだな 笑
よ:はい。あと、親もそれぞれ北海道旅行している時に出会ってるんですよ。北海道の大学行くってなったら、旅行に行けるって喜んでました。
タ:職員のくま、ななこからはスポンジのように吸収する男だって聞いてるけどそうなの?
よ:まぁ、そう言うと良い意味にも聞こえるけど、我がないとも…。。詐欺にひっかかりやすいって周りに言われる。嘘もつけるけど、ばれますね笑 ちゃんと色々考えてることもありますよ!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
これからもezorocker達を紹介していきますので、お楽しみに!
▼活動についてもっと知りたい、一緒に活動して見たい方はコチラ
【開催中】ezorock団体説明会
https://www.ezorock.org/info/6852
冬は交流会や研修プログラムを中心に活動しています。
お話を聞くだけでも大歓迎なので、ぜひ説明会にお越し下さい。