【連載|EarthCare】国内音楽フェス史上最大の13分別~『ごみ』が『資源』に生まれ変わる ~
連載コラムでは、RISING SUN ROCK FESTIVAL (以下、RSR)で行う5つの活動を、
5回に渡り、ご紹介いたします。トップバッターは、メインの活動である「ごみの分別ナビゲート」です。
ごみ分別ナビゲートとは?
一言で言えば「ごみを拾わないごみ対策」です。
なんと、その種類「13種類」。
リサイクルできるもの
生ごみ
油
割り箸
プラスチック
紙コップ
ペットボトル
乾電池
金属
ダンボール
炭
リサイクルできないもの
燃やせないもの
燃やせるもの
危険物
これだけの種類のごみを分ける場合、もしあなたが遠方からの来場者なら、
ごみ箱にたどり着いた瞬間、どう思うでしょうか?
「え…サングラスって、何ごみ?!」
「うちわって紙はがすのかな、それともそのままプラスチックに入れちゃってもいいかな…」
などと迷うかもしれません。
そこで、この活動ではボランティアスタッフがごみ箱の後ろに立ち、
来場者が自らの手で分別するのを声がけしながらサポートします。
“やってあげる”ではなく“案内する”
会場では、ペットボトル・コップ・割り箸などの飲食の際に出るごみから、
段ボール・電池・炭・破損したテント、時には包丁まで、大小合わせて
5万5千トンものさまざまなごみが出ます。
それら会場で出るごみは、基本的に「来場者自身の手で」分別をしてもらいます。
「ボランティアがごみを受け取り、分別をやってあげる」のではありません。
分別に困っている方がいたら、「どこに分類するのか伝え、
日常にも分別の意識を持ち帰ってもらう」これがこの活動のスタンスです。
数百と言っても過言ではない、ごみの種類を熟知するのはとても困難です。
そのため、当日活動するボランティアスタッフは事前の説明会や当日活動をサポートする
コーディネーターから分別についてのレクチャーを受けるなどして、分別についての
理解を深めていきます。だから、この活動に参加するのに最初から知識や技術は必要ありません。
6万人の来場者とのコミュニケーションの場
会場内に5箇所ある10m程の巨大ごみ箱は、来場者のほとんどが訪れる場所のひとつです。
RSRの来場者は約6万人。一人ひとりとごみ箱で接することのできる時間は一瞬です。
それでも、ここでたくさんのコミュニケーションが生まれます。
「こんな風に分別するなんて知らなかった」
「暑い中ごくろうさま!」
きっちり分別したごみ袋を持ち込んで「今年もよろしく!」
と声をかけてくれるRSRベテランの来場者も。
活動開始からの数年は分別への理解が得られずに、ごみ箱がパンクしたり、
分別が面倒に思った方の苛立ちがボランティアへ向けられることもありました。
主催者・ボランティア・来場者ともにそういった年月を積み重ね、今年で活動は19回目を迎えます。
会場内で分別が浸透し、他の人が出したごみを拾ってきたり、
声をかけずとも自ら分別をする来場者の姿を見かけることも珍しくはありません。
このFESTIVALで自然や音楽、仲間との時間を楽しむもの同士、
来場者とボランティアには「上」も「下」もありません。
ともにRSRという空間を楽しむ仲間です。
ごみ箱では外見、性別、年齢問わず、6万人の来場者が色々な表情を見せてくれます。
非日常だからこそ出会える人たちとのコミュニケーションは、
3日間で一番刺激的な時間かもしれません。
終わりに
RSR環境対策活動の根幹となる、「ごみの分別ナビゲート」。
”50年後も野外で気持ち良く音楽を楽しみたい”
その思いで続けてきたこの活動は、2014年度リサイクル率80%を超えました。
ボランティア、来場者一人ひとりの行動が、50年後に繋がっています。
▼RSR’18環境対策活動について詳細を知りたい方はコチラ
【募集】<8/10-12>RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO環境対策活動ボランティアスタッフ募集